背表紙の安心 [絵本のこと]
ついに 電子書籍が当たり前のような時代が やってきた
指先ひとつで 「本」が手元に買える時代
ちゃんと「本」らしく ページがめくれるよ! と主張している「電子書籍」
でも。
と こころから思うところがあって ひとこと書いておこうと思うのです。
私の本棚の90%は 絵本。 5%が児童書。
のこりの5%も絵本にまつわる写真集or参考図書。
それらのすべてが
いつも 背表紙で
私に無言の声掛けをしてくれている
いそがしい日常に あたまがいっぱいな トキ
ホッとひといき つきたくなった トキ
本の背表紙をただ眺めるだけで
それらの本の世界や 登場人物のことばが
一瞬のうちに 私のこころの中を満たしてくれる
あぁ この本に癒されたな~ こっちの本には勇気をもらったな~
1ページも開くことなく
何冊もの記憶が背表紙だけで
わきあがってくる
これが電子書籍だったら・・・?
確かに場所はとらないだろうけれど
代わりにいつも本とともに暮らすことは できないだろう
そう思うにつけ
背表紙から安心をもらっている「書籍」に 私は深く感謝
♥
どうか この「書籍文化」がなくなりませんように
大好きなクリスマス・ソング [絵本のこと]
12月も半ば。すっかり街はクリスマスムードですね
この時期 お店で流れている歌に
♪Twelve Days Of Christmas(クリスマスの12日)が
あります♪
http://www.youtube.com/watch?v=y72zk7cO8cM&feature=related
だれでもきっとどこかで一度は聞いたことがある曲です。
この曲は イギリスのマザーグースとも
讃美歌に別の歌詞の元歌があるとも いわれています
クリスマスは12日間で その一日毎に「私の愛する人がこんな贈り物をくれた」
という歌です
12月にはいるといつも 子どもたちと一緒に手振りをつけながら歌っています
その歌をあのしかけ絵本で有名なロバート・サブダが
ステキなポップアップブックにしています
それがコレ
『クリスマスの12日』
ロバート・サブダ 作・絵 うえのかずこ訳
大日本印刷
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=7348
↑
私がだいぶ前に書いたレビューが絵本ナビのベストレビューに選んでもらって
ここでは「まあさ」のHNです
小さい子にはドキドキしながら
「だぁ~いじなご本だから 見るだけね~」といいつつ見せ
大人には「ね♪ね♪ きれいでしょ♥」 と
歌をきいてもらいながら みてもらっています
もっているだけで心があたたまる一冊です♪
おとなへの プレゼントに いかがですか~♥
焼かない石をいれてつくるスープ [絵本のこと]
おでかけ日記でもあるのですが。
8月の下旬は おシゴトの合宿で
やっぱり山にお泊りしました
そこでみんなとつくったのが 「石をいれたスープ」
そう言うと 大人はみんな
「焼いた石をいれてつくるのね~」って。
いえいえ 違うんです!
『Stone Soup~ せかいいち おいしいスープ』
マーシャ・ブラウン 作・絵 こみや ゆう 訳
岩波書店
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=35988
戦争のあと ちいさな村には 次々に兵士がやってきて
食べ物をもっていってしまうのでした
そこへやってきたのが 3人の兵士。
村人たちは警戒し 食べ物を隠し 食べ物はないと アピールします
そこで 3人の兵士が知恵をしぼり
「みなさんも お困りの様子だから 石でスープをつくります!」
と宣言!!
村で一番大きな鍋に 水を入れ【まるくてすべすべした石をみっつ】いれるのです
それから火を焚き
「どんなスープにも 塩を胡椒は欠かせないなあ・・・」
そう言うと こどもたちが家に走っていって塩胡椒を持ってきます
「ニンジンがあったらな~ もっとおいしいスープができるのにな~」
そのひとことひとことに 村人たちは心を動かされ・・
ニンジン・キャベツ・ジャガイモ・牛肉・大麦・牛乳
の入った「せかいいち おいしいスープ」ができあがるのです
兵隊と村人たちは お腹一杯食べ 心もお腹も満たされます
人によっては 「バカな村人が騙された話」というかもしれません
でも
戦争で傷ついた村人たちが 自分のものをすこしづつ提供しあうことによって
みんなが仲良く豊かになれたのです
村人たちの心がひとつになって 夜通し踊った楽しい夜
それこそが 【せかいち しあわせな トキ】だったに違いありません
さて
合宿では まさにこのお話通り
焼かない石を3ついれ、おいしいスープができましたよ
「読み聞かせ」ということば [絵本のこと]
私は 近所の文庫とシゴトで
絵本を読む機会が たくさんあります
おなじ絵本を 違うこどもたちに 読むことも 多いのですが
一週間に4~6冊は 読んでいることになります
ということを 誰かに話すと
「読み聞かせしているんだ~」
と 言われることが 多いのです
でも
その「読み聞かせ」ということば
私は すきではありません
「読み・聞かせる」から きていることばだろうと思うのですが
「聞かせる」という響きに どうも 「上から目線」を感じるのです
ずっと ずっと その思いを 持っていましたが
先日ある方から
「90歳になる 絵本作家の方が
『読み聞かせ』ということばは 大嫌い!
なにか ほかによいことばは ないものか・・・?」
とおっしゃっていたと聞いて 思わず
「そうそう!そうなんです!」
と叫んでしまいました
その方が言われるとおり
こどもがいるおかげで 『絵本を読ませていただいている』
のです
同じ絵本でも
その時の私の調子によって
聞き手のこどもたちの 反応によって
絵本からあふれ出てくる世界が 変わるのです
それが 楽しくて 嬉しくて 私は絵本を 読んでいます
絵本をたのしもう [絵本のこと]
以前 CURURUのブログともだちが 紹介していた絵本
『ぜっこう』
柴田 愛子 作・ 伊藤 秀男 絵
ポプラ社
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=3769
いきなり 「ぜっこうする!」で始まる この絵本。
作者の柴田 愛子さんが
長年保育している「りんごの木」(本の中では「あそび島」)で
実際に子どもたちの間でおこったコトなのだそうだ。
強烈な 表紙。「ぜっこう」という言葉の重さ。
そんな強いイメージの絵本の中に
子どもたちの ホンキの思いと 愛子さんの愛情が なみなみと描かれている。
先日 その柴田 愛子さんの お話をきく機会に恵まれた♪
いろいろ心に響く言葉はあったのだけれど
なかでもいまだに 私のこころに響き渡っていることば
「教育的効果」
最近 おとなから よく
「どんな絵本をこどもに与えたらいいですか?」というような
絵本に「教育的効果」を求める質問が 増えているのだそうで。
それに対する 愛子さんの考え方
「絵本は所詮絵本。読んでおもしろい、楽しい、ワクワクする♪
それでいいでは ないか!
自分は教育的効果を考えて絵本をつくっているのではない。
自分で読んだり おとなに読んでもらったりした子ども自身が
そこから 何かを感じたり 記憶に残ったりしたことがあれば
それが 結果として教育的効果となっているのであって
『こうすれば こうなる♪』みたいな 簡単なことは
絵本にも 子育てにも ないのです」
というようなことを 言われたのです。
思わず「その通り!」 っと 声がでそうになりました
インターネットで調べれば サッと「答え」がみつかる(気がしている)時代。
テレビをはじめとする報道で 「白か?黒か?」を常に追求しているのを見せられている時代。
ずっと後に 「あの時のアレのおかげで いまがある」
「あの時はわからなかったけど アノ事が自分を育ててくれた」
そういう実感が大事なんだよな~ と思います。
こういうチカラを 子どもにつけるために コレをさせるって
確かに大事なときもあるけれど 人間が育つのってそんなに単純なことじゃない
毎日のおとなの精一杯やあるがままの姿こそが 子どもにとって大事な教育なんだよ。
と 最近とくに感じています。
「勉強させたかったら 自分が勉強する。
子どもは勉強、おとなはテレビドラマ、では 子どもが勉強するはずがない」
これも その時の 愛子さんの ことばです。
「教育的効果」なんて考えずに 必死で生きて たのしくすごそう♪
絵本も たくさん たのしもう♪
にあうね~♪ [絵本のこと]
毎週いっしょにあそぶHちゃんと
『わたしのワンピース』を よみました
『わたしのワンピース』
にしまきかやこ えとぶん
こぐま社
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=134
空からふってきた まっしろいきれ
それでつくった ワンピースに つぎつぎ いろんな模様が うつります
そのたびに ウサギのわたしが 「わたしに にあうかしら」
というのだけれど
そのたびに ママのおひざのHちゃんが かわいい声で こういいます
「にあうね~♪」
虹のもようになったとき 「にあうね~♪」と いいたかったのに
「わたしに にあうかしら」の フレーズがなかったから
Hちゃんは 息をとめて じっと みまもっていました
そしてさいごに 星のもようになった ワンピースをみて
にっこりして
「ワンピーシュ、おほしさまの もよおに なっちゃったね~」
「にあうね~♪」
とうれしそうに 言ったのでした
おだやかに 文字通り すくすく 成長しているHちゃんに
こころいやされた ひとときでした
ことしの年賀状 [絵本のこと]
ことしは 寅年
寅といえば思い出すのがこの絵本
復刊!! [絵本のこと]
図書館でみつけて 大好きになった絵本
知り合いに教えてもらって 大好きになった絵本
そんな絵本がたくさんあります。
なのに、そういう絵本に限って「絶版」
この絵本もその一冊でした・・ そう!復刊したんです!!
『ロンドン橋がおちまする!』
ピーター・スピア 画 渡辺茂男 訳 (ブッキング)
あの、ロンドンブリッジの歌ってこういう意味の歌なのよ~♪っと
ステキな絵で魅せてくれる 絵本です
もちろん早速買いました!!
これでず~っと借りていた 文庫の本も返すからね~
なにと寝ていましたか? [絵本のこと]
6月
そろそろ夏の予定をたてなくっちゃ
というこの時期
子どもにとっては大冒険の「おとまり」の絵本を読みます
『アイラのおとまり』
バーナード・ウェーバー 作・絵 まえざわ あきえ 訳
ひさかたチャイルド 社
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=28295
アイラは 初めておとなりのレジーのうちに お泊まりに行くことになりました
たのしいことが たっくさんありそうで
たのしみでたまらないのだけどおねえちゃんの
「くまのぬいぐるみも つれていくの?」
という ひとことから
アイラの こころが 揺れ始めます
「つれていかないよ」
とアイラ
「ほんとに ひとりぼっちで ねられるのかしらねえええ」
と おねえちゃん
連れていこうかな・・
レジーに笑われるかな・・
やっぱり やめようかな・・・
ねられなくなっちゃうかな・・・・
・
・
・
連れていかない!
と決心して
レジーのウチに 行くのでした
レジーと一緒に
たからものを見て、かいしゃごっこをして、
プロレスごっこをして、まくら投げをして・・
レジーのおとうさんに 「もう ねなさい」と しかられて
いよいよ ベッドにもぐりこむアイラとレジー
レジーはこわ~い話を アイラにきかせます
「まあね。 レジーもこわい?」とアイラ
この アイラのひとことが
思いもかけなかったことになっていくのです!
息をとめて 聞き入っていました
『アイラはどうするんだろう・・・持っていくのかな?いかないのかな?』
小学生の子たちも 中には黙って身じろぎもせず
アイラのこころの変化を見守っている子もいました
『よし!がんばれ! ひとりでもきっと大丈夫だよ!』
小学4~5年生の子たちは 途中からアイラの言葉に笑いがとまりません
「なんだぁ~また変えるの~ww」
「え~っ! やっぱり持ってくの~? どっちなのォ~?」
そして、最後の最後には
全員が 安心納得して 大きなため息をついたのでした
「あ~、おもしろかった」
「タータちゃん」という名前の アイラのくまのぬいぐるみ
心理学ではよく
「ライナスの毛布」と呼ばれます
もっていないと 不安でしかたがない・・というアレです
私にも かつて「モモちゃん」というお人形がいました
娘ができた時 「この子は何を抱いて寝るのかな~」と楽しみだったけど
彼女はとうとうそういうモノではなく
なぜか パジャマのボタンホールに指を入れて
くるくる遊びながら 寝入っていました
「ピンクのパジャマ~」と 呼んでいたっけ
いつどんなふうにお別れしたのか 覚えていないけれど
「なくても 大丈夫!」
と自信がもてたのは 私も娘も 夏のおとまり だったかもしれないなあ
と この本を読むたび 思うのです
ぐぐっとのびる・・・ [絵本のこと]
庭にはえてきたタケノコを 切った話を書きました
http://live-love-laugh.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300707724-2
それで、この絵本をまだ紹介していなかったことに気づき・・・
『ふしぎな たけのこ』
松野 正子 作 瀬川 康男 絵
福音館書店 http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=1895
むかしむかしの やまのおくの おくの おくの 村のお話
誕生日に おおごちそうになるはずのタケノコを
掘りに行った タロ
ひょいと上着をかけたタケノコが
ぐぐっ ぐぐっ と伸びていく
タロがしがみついたまま いくつもの林・いくつもの山をこえて・・・
庭に伸びたタケノコを見て この話を思い出し
「季節もの」だから と 小学生に読みました
【山の中に住んでいるから、昆布や貝を知らない】
とか
【海まで遠いから、海の水が からいことを知らない】
とか
そういう感覚が
いまの子たちにはありません
「どうして? お魚とかって食べないの?」
「なんで? 海の水が塩水って知らないの?」
そんな時代になったのですね
タロのふしぎなたけのこは、飽きるまで伸びて
ちょっとひと休み
その間に 父さんたちが タケノコを切ります
ここからが この絵本の楽しいところ
タケノコが 倒れこむのですが
なにせ果てしなく長いので
切られてから、倒れるまでに
すっかり夜があけてしまう有様で
たおれたタケノコに伝わっていって
タロにも会えたし
山のおくのおくのおくの村には なかったものにも であえます
そして それからは タロの村でも
魚や昆布や貝を食べられるようになった
というお話です
「雨後の筍」 というけれど
この 『ふしぎな たけのこ』のように
タケノコってホントにぐぐっ、ぐぐっ と伸びていくんですね~
この絵本の挿絵の 瀬川 康男さんは
『ことばあそびうた』 とか『いないいないばあ』 などを
描かれた方です
長~く伸びたタケノコ
〈うざ・・ざ・・・〉といいながら すこしずづたおれていくタケノコ
挿絵のダイナミックさが 大好きです
そして
タロが タケノコのてっぺんから 下にいる母さんたちに
「ん・・・ ん・・・」
と叫ぶところが 読んでいてとっても好きな場面です
なぜって、タロと母さんの気持ちをおもうと
泣いてしまいそうになるくらい
切なくて ドキドキして・・
とっても好きです
こどもと絵本がだいすきなまあさんです どうぞ よろしく
絵本とこどもが好きなまあさんのブログです。お出かけした時のこと、気になることばについても書いています。不定期更新ですが どうぞお付き合いください。